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★原作アンパンマン解説★
〓はじめに〓
“アンパンマン”と聞いたらドラえもんに並ぶ、子どもたちの人気キャラクターと思われる方がたくさんいると思います。私も、昔、『アンパンマン』を応援する子どもの1人でした。
しかし、世の中に知られている『アンパンマン』は、NNN系列(日本テレビ)のあのアニメーションのようです。原作については、ファンの間でもあまり知られていないように思われます。その残念な現状を気づき、大変ショックを受けました。そして、私は、やなせたかし先生が描く本当の『アンパンマン』を世に広めるため、この『原作アンパンマンについて』のコーナーを作った訳です(コーナーというより、サイトそのものを)。訪問者が、原作にチャレンジするきっかけとなれば、とても嬉しく思います。
〓数多くの原作アンパンマンワールド〓
★絵本シリーズ『アンパンマン』
フレーベル館の保育絵本『キンダーおはなしえほん〔1973年10月号〕』に1作目『あんぱんまん』が掲載された、基本的なシリーズ。また、歴史が長い。当サイトではこれを“絵本版”と呼ぶ。
この絵本版は、当初、編集部や絵本評論家から
「キャラクターの格好が悪い!」
「顔が食べられるなんて残酷だ!」
など悪く言われた。でも、やなせ・たかし先生の『アンパンマン』に対する情熱が通じたのか、1979年頃より、少しずつ人気に芽が生え、年に1作発表するようになる。そして、生誕10周年目の1983年、小さな子供たちの間で、ついにブームが起こった。この頃創刊されたのは、『アンパンマン・ミニ・ブックス』。ブームとなると年に1作が、月に1作にスピードアップ!? 『アンパンマン・ミニ・ブックス』完結後も、『アンパンマンのぼうけん』、『アンパンマンのふしぎなくに』、『アンパンマンメルヘン』、『アンパンマンのおはなしでてこい』、『アンパンマンのおはなしわくわく』などが創刊され、現在に至る。
★大人向け長篇童話シリーズ『怪傑アンパンマン』(『月刊詩とメルヘン〔1975年1月号〜1976年5月号〕』連載、全17回)
知る人ぞ知るこのシリーズ!? 絵本版『あんぱんまん』(『キンダーおはなしえほん〔1973年10月号〕』掲載)があまり評判よくなかったため、やなせ先生自身が編集長をするサンリオの『月刊詩とメルヘン』で連載したとのこと。当サイトでは、これを“詩とメルヘン版”と呼ぶ。
この詩とメルヘン版は、他の『アンパンマン』とは違う。
「他人を蹴落としてまで社会に生きる必要があるのだろうか…?」
「金さえ手に入れば、誰もが幸せになれるものだろうか…?」
など、世の中に対するやなせ先生の疑問が書かれている。主人公は、アンパンマンではなく、売れない漫画家ヤルセ・ナカス。この漫画家が人気に溺れ、だんだん駄目人間になっていくというストーリーなのだ。アニメ版からファンになった方には、抵抗があるかもしれない。でも当時、『月刊詩とメルヘン』を愛読していた方からはかなりの支持があったという。やなせ先生は3ヶ月で完結させる予定で描いていたが、それから14ヶ月も連載が伸ばされたのだ。詳しくは『サンリオアンパンマン』の『怪傑アンパンマン小百科』をどうぞ。
★児童向け漫画シリーズ『アンパンマン』(『月刊いちごえほん〔1976年9月号〜1982年7月号〕』連載、全72回)
『怪傑アンパンマン』連載終了から約4ヶ月後に、『月刊詩とメルヘン』の姉妹誌『月刊いちごえほん』に連載開始されたシリーズ。カレーパンマンやしょくぱんまんなどの主要キャラクターは多分、ここからだろう。当サイトでは、“いちごえほん版”と呼ぶ。
このいちごえほん版では、それまでの『アンパンマン』にはなかった“笑える場面”が取り入れられ、現在、頭脳明晰の2枚目という設定になっているしょくぱんまんまでもが「かんがえるのはにがてだから」などとふざけたことをぬかす。注目すべきは、ワンパク娘に描かれたバタコさん(そのバタコさんもアニメ版になると、ただの優等生キャラに成り下がっちゃうんですよね)。また、幻のキャラクター“フケツマン”が 登場するのもこのシリーズの魅力のひとつ。
なお、タイトルについては、第52回(1980年12月号掲載)までは『あんぱんまん』とひらがな表記で、第53回(1981年1月号掲載)からは『アンパンマン』とカタカナ表記に変更された。もちろん、主人公の名前も同じ。
個人的に、数多く存在する原作の中では1番気にっているのだが、公式のアンパンマン史上で語られることはあまりない。更に、初出誌であった『月刊いちごえほん』と、単行本作品である『サンリオ・キャラクターブック』が一部の大きな図書館しか所蔵していないという残念な現状。 詳しくは詩とメルヘン版同様、『サンリオアンパンマン』の『いちごえほん版作品データ』をどうぞ。
★紙芝居旧シリーズ『アンパンマン』
やなせ先生はこのシリーズについて、絵本版『あんぱんまんとばいきんまん』(『キンダーおはなしえほん〔1979年5月号〕』掲載)の『あとがき』で、少し触れている。しかし、非常に謎が多い。まず、どういう場所で発表されていたかわからない(ひょっとしたら、『おかあさんといっしょ』内で放映された、中村メイコさん演じる幻の『アンパンマン』かもしれないが)。それに、図書館では、取り扱いの対象にしなかったようだ。だから、せっかく興味を持っても現在、読むのは不可能に近いものがあるだろう。もちろん、私も未読。詩とメルヘン版や、いちごえほん版に輪をかけて、レアなシリーズだ。
当サイトではこの幻の『アンパンマン』を“旧紙芝居版”と呼ぶが、データベースなどを作る予定は今のところない。前述のように、手元に資料がないもないからだ。
★紙芝居新シリーズ『アンパンマン』
小さな子供たちの間で、ひそかにアンパンマンブームが起こった頃(1983年)、フレーベル館で作られたシリーズ。当サイトではこれを“新紙芝居版”と呼ぶ。
この紙芝居版は基本的に絵本版のリメイクが多い。それでも、『アンパンマン・ミニ・ブックス』をベースに作られたものは、ストーリーの付けたしがあり結構楽しめた。だけど、読んでる側は絵をモノクロでしか見れないのは、ちょっと残念(紙芝居だから仕方ないけど)。図書館には必ず置いてると思うので、是非呼んでもらいたい!! 詳しくは絵本版同様、『フレーベル館アンパンマン』をどうぞ。
★英訳付漫画シリーズ『とべ! アンパンマン』(『読売新聞[日曜版]〔1990年1月1日〜1994年5月29日〕』連載、全227回)
1990年正月から『読売新聞[日曜版]』でスタートしたシリーズ。当サイトでは、これを“読売新聞版”又は“とべアン”と呼ぶ。
この読売新聞版は、左流れの外国風の漫画だった。コマの下には玉置百合子先生の英訳もある。主人公は、ひもじい人の友達アンパンマンより、マヌケなバイキンマンという感じ。週刊連載なだけ、さすが作品数が多い。単行本は、フレーベル館で作られたが、第70回(1991年4月28日掲載)までの収録。未収録回については図書館などで、『読売新聞[縮刷版]』を読んでもらいたい。詳しくは『読売新聞アンパンマン』をどうぞ。
★その他
“アンパンマン”というキャラクターは、『アンパンマン』以外のやなせ・たかし先生の作品にも登場した。私が知ってる限りでは2つある。
まず1つは、『PHP〔1969年1月号〜1969年12月号〕』に連載されていた『こどもの絵本』の第10回(1969年10月号掲載)。これは、絵本版1作目『あんぱんまん』(『キンダーおはなしえほん〔1973年10月号〕』掲載)よりも前になる。しかも、顔がアンパンではなく人間だ。『こどもの絵本』は、後に『十二の真珠』という題で単行本化されたが、現在は絶版になっている。今後の復刊を期待しよう。
それからもう1つは、1973年10月にサンリオで刊行された短篇童話集『アリスのさくらんぼ』の6話目『飛べ! アンパンマン』。これに登場したアンパンマンは、人に会うのを好ましく思わないニヒルでいかす奴だった。でも、『十二の真珠』同様、現在絶版だという悲しい現状だ。
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